日本代表に招集された本田圭佑【写真:Getty Images】
日本サッカー協会(JFA)は16日、ロシアワールドカップアジア最終予選のUAE戦(アウェイ)およびタイ戦(ホーム)に向けた日本代表メンバーを発表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は25名の選手を招集した。
中でも、本田圭佑の招集が注目を集めている。所属のミランでは、2017年になってプレーした出場時間はわずか16分。今季は公式戦で1得点を挙げるどころか、出場時間をほとんど得ることができていない。
本田の招集を巡っては、発表前に様々な議論がなされてきた。ハリルホジッチ監督が「経験が必要となる」と言うように、過酷な最終予選では代表通算86試合に出場し2度のワールドカップに出場した本田が必要という意見もある。しかし、過去の発言をみてみると、選考基準における“ブレ”があるように思える。
2-1で勝利した11月のサウジアラビア戦後、ハリルホジッチ監督は「何人かはトップパフォーマンスではなかった」「本田、香川、岡崎、(川島)永嗣が厳しい状況にあるのは知っている。先発を獲りなさい、獲れるクラブに行きなさいと言った」「我々のチームの強みは海外組のプレー回数が多いことによって決まる」「確実に席が用意されている人間は誰もいない」と、出場機会を重視する発言を繰り返してきた。
だが、今回の代表発表会見で口にした「本田や長友はイタリア、ヨーロッパの中でもビッグクラブにいる。そこでトレーニングするだけでも異なる」という発言は、当時の主張とは全く異なるものだ。
「私は若い選手も使ってきたが、精神面、メンタル面の準備をしていかないといけない」「少し敬意を持ちすぎて相手選手を恐れている」と述べたように、ハリルホジッチ監督は若手選手を完全には信頼しきっていないようだ。
確かに本田や長友は経験のある選手だが、長谷部誠、吉田麻也らヨーロッパの大会や代表での経験が豊富な選手は多くいる。今回のメンバー選考は、これまでハリルホジッチ監督が発してきた言葉と一貫性がないとも思えるものとなった。
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