すすんで「22番」を背負った理由
両チームともに無得点で迎えた前半27分。右サイドを駆けあがった徳永のもとへ、MF中島翔哉から絶妙のサイドチェンジのパスが通る。流れるようなトラップからさらに前へ運んだ徳永は、体を捻りながらノールックで右足を振り抜いた。
ゴール中央へ走り込んだ前田に数人の選手が引きつけられたペナルティーエリア内には、大きなスペースが生じていた。そこへフリーで入り込んできたMF阿部拓馬のゴールをアシストしたマイナス方向へのパスを、徳永は「ずっと(阿部に)呼ばれていたので」と謙遜しながら振り返る。
「もっとアシストできるチャンスがあったので、そちらのほうを課題としてやっていきたい。相手があまりプレッシャーに来なかったこともあって、楽にボールを運べたというか、その点では割と苦労しなかった。ただ、(前田)遼一さんがずっと前で駆け引きをしてくれていたので、もっとそこに合わせないと」
右サイドバックとして、タッチライン際を何度もアップダウンする姿は昨シーズンまでと変わらない。ただひとつ、昨シーズンまで7年間にわたって背負ってきた「2番」が「22番」へと変わっていた。
FC東京には今シーズン、左サイドバックのスペシャリスト・太田宏介がフィテッセから復帰。2015シーズンまで背負ってきた「6番」の持ち主となり、明治大学から加入して2年目のリオデジャネイロ五輪代表、DF室屋成が「6番」から「2番」へと変わった。
徳永が「22番」を強く希望したからこそ、スムーズに実現した背番号の変更。徳永自身は「憧れる選手」と「尊敬する選手」に続いたと、すすんで「22番」を背負った理由を明かす。
「自分が憧れる選手がダニエウ・アウベスで、彼が『2番』を『22番』に変えたのを意識していたのと、あとは羽生さんをリスペクトしているので。羽生さんの後には自分がつけたいとずっと考えていたので、そういう2つの思いから変更しました」