CLでも逆転で準々決勝進出。岡崎が掴んだ手応え
いずれにしろ、ラニエリ前監督のレガシーはこれからも残る。彼はレスターをトップリーグで優勝に導いた唯一無二の監督で、解任を報告する声明文で経営陣は「クラブ史上最高の監督」と称している。それは決して変わることのない事実だ。
しかしリアリティーに目を戻すと、チームは開幕から波に乗ることが一度もなく、年明けからは不振を極め、降格ゾーンにも落ち込んだ。苦渋の選択だったが、プレミアリーグに残留するためには必要な一手だったと考えたのである。
そしてこの決断は、ここまでのところは完璧に奏功している。助監督から格上げされて暫定監督となったクレイグ・シェイクスピア(その後シーズン終了まで指揮を執ることが決定)は、すぐさまメンバーを昨季のミラクル・レスター仕様に戻した。すなわちチェルシーへ移籍したエンゴロ・カンテをウィルフレッド・ヌディディに替えただけで、ほかの10人の面子は変えずにシステムは昨季重用された4-4-2としたのである。
全体的に激しいプレッシングをするようにしたことで、高い位置でボールを奪うことができるようになり、前線と中盤の選手の間にスペースがなくなった。そして、結果的にリバプール戦とハル戦の両試合を3-1でモノにしたのである。
完璧な戦いぶりを見せたリバプール戦後、岡崎は満足した表情で、次のように解説している。
「やっぱり前からプレスでいけば、絶対にはめられると(シェイクスピア監督が)言ってくれたので、自分もやりやすかった。やっぱり2個(1人の選手だけではなく、ボールが渡った2人目のボールホルダーまで)追えば確実にそれが還元できる。今までは2個追っても、あんまり意味がなく終わるとモチベーションも下がる。それが今日は2個追うとそれがロングボールを誘って、それで(相手の流れを)切れた。かなりチームとして良い戦いができた」
そして直近のCLセビージャとのセカンドレグでは、完全に昨季のレスターがキングパワーに戻り、まさかの逆転で準々決勝進出を決めている。ここでも、岡崎は高いワークレートで勝利に貢献している。