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“戦術的”になったプレミア。リーガは3強から混戦へ。最高峰リーグで見られる一大変化

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

分岐点はクラシコ。4月23日が天王山に

エンリケとジダン
レアル・マドリーのジダン監督(右)と今シーズン限りで退任を発表しているバルセロナのエンリケ監督(左)【写真:Getty Images】

 昨季の欧州王者レアル・マドリーは、今季開幕から好調をキープして第9節以降首位を維持している。第14節に行われたバルセロナとのクラシコでは、セルヒオ・ラモスの終了間際のゴールで1-1。勝ち点1を分け合うも、アウェイでの一戦を土壇場で同点に持っていった展開は勝利にも等しいほどチームの士気を上げる結果となった。

 そのままリーグ優勝まで突っ走るかと思われたが、第18節セビージャ戦での敗戦が一気にリーガを混戦に変えた。

 セビージャのホーム、ラモン・サンチェス・ピスフアンで行われたこの一戦は、セビージャで生まれ育ち19歳でマドリーへと移ったセルヒオ・ラモスへの強烈なブーイングによって幕を開け、両チームとのキックオフからテンションの高い攻防を繰り広げる熱戦となった。

 その“狂気の一戦”で当事者のセルヒオ・ラモスは84分にオウンゴールを犯す。そして、試合終了間際にはヨベティッチがペナルティエリア外からのミドルを突き刺して2-1。セビージャの人々を歓喜させるとともに、リーガの優勝争いを激化させた。

 “3強”のつまずきによって混戦となった今シーズンのリーガだが、毎試合がスリリングで気の抜けない戦いとなるため、見応えのあるものともいえる。また、いずれのチームも終盤に向けて課題を修正し、ギアを上げてくることは間違いない。

 今後の戦いで最も重要な意味を持つのは、4月23日に行われる第33節、レアル・マドリーとバルセロナによるクラシコ第2戦となる。

 現状、マドリーは1試合消化の少ない中で2位バルサに勝ち点2差の首位に立っており、この33節での直接対決は真の天王山となる可能性が高い。仮に消化試合であってもプライドがぶつかり合う激戦となるクラシコが、優勝を占う一戦となれば、スタジアムの空気は「熱狂」では片付けられないほどのテンションとなるだろう。

 バルセロナはルイス・エンリケ監督が今シーズン限りでの退任を発表したが、マドリーも今シーズンの結果次第では指揮官の去就問題に発展する可能性を秘めている。互いにリーグ優勝は絶対条件ともいえる状況で、世界のトップ同士がぶつかり合うこの一戦は画面越しにもその熱さが伝わるはずだ。

リーガ天王山となるクラシコ。スポナビライブならクラシコも無料で視聴可能!

(文:海老沢純一)

【了】

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