4強以上に進むか8強で終わるか。ユーベの今後を左右する課題
攻撃でもピリッとしない。右サイドに投入されたマルコ・ピアツァは、あまりにもゲームに絡めず消え気味だったためマンジュキッチとポジションを入れ替えられている。前線もまたボールを収めるべき場面でロストし、相手にボールを持っていかれた。
アッレグリ監督は故障を訴えたメディ・ベナティアに変わってアンドレア・バルザーリを、そして中盤の守備の補強のためにトマス・リンコンを終盤に投入したものの、守備は安定しない。それどころか、後半の37分には途中出場したディオゴ・ジョッタをまんまと逃し、GKと1対1にさせてシュートを打たせていた。
数的不利となったはずの後半で、ポルトは前半の倍となる6本のシュートを放っている。その一方でユーベは後半のシュート数を前半の1/3まで落としており、枠内シュートは一本もなかった。ポルトはパスの本数、成功率もアップさせており、相手を抑え込んでいるとは言い難い状況だったことはスタッツにも表れている。
試合を支配しながら、つまらないボールの失い方をして相手にカウンターを喰らうのは、直前のリーグ戦ミラン戦でも多々見られたことだった。
「うまくボールを制御下に置けていなかったし、リズムも落ちた。こういう中途半端なことをしていると、今日のようにピンチになることがある」とアッレグリ監督は語ったが、こういった部分をチームとして改善できるかどうかが、4強以上に進むか8強で終わるかを左右することになるだろう。
(取材・文:神尾光臣【トリノ】)
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