バルサ戦直後のリーグ戦では勝利を収めるも……
ブラン監督時代のチェルシー戦やマンチェスター・シティ戦もそうだったが、アウェイ戦になると、ふだんやりなれていない戦術を突然繰り出してきて、そして自滅する。
これはPSGのチーム強化だけでは解決しない問題かもしれないが、リーグアンではライバルでも、UEFAランキングを引っ張るPSGにはフランスを代表するクラブとして欧州で活躍してもらいたい気持ちがサッカーファンにはある。
リーグアン底上げを担う存在とさえいえるだけに、この歴史的大敗で、あらためて「リーグアン、ダメだ……」という空気が漂ってしまっているというわけだ。
パリジャン紙が会長に、「このようなPSGに移籍してこようというビッグネームがいるでしょうか?」という質問を浴びせると、会長は「このクラブには20人の代表選手がいて、監督は3回ヨーロッパリーグ優勝を実現している。近い将来、世界最高クラスのトレーニング施設も完成する。トッププレーヤーというのは目先の結果ではなく、こういうことすべてを含めたクラブのプロジェクトに賛同するものなのだ」と、「問題ない」ことを強調した。
だが、「同じサラリーなら選手はCL優勝のチャンスがあるところへ行く」というのが識者たちの意見だ。なると是が非でも、今いるカバーニ、ヴェッラッティ、マルキーニョスらの契約延長をものにする必要がある。
この敗戦のあと、レキップのアンケートでは、87%が『今季、PSGはリーグアンで優勝できない』と答えた。バルサ戦の4日後の12日、彼らはロリアンを2-1で下したが、「対戦相手が最下位のクラブでラッキーだった」と報じる声は、なんとも虚しかった……。
(取材・文:小川由紀子【フランス】)
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