チーム作りの体制が一枚岩になっていないPSG
出発前、会長はパリジャン紙に、「そんなことはありえない。我々の計画は長期的なもので、それはフットボールへの情熱、パリ市への愛に裏付けられている」と答えている。ただし会長は「シーズン後にはいくつかの修正は必要になってくるだろう」とも答えた。
これはおそらく主にクラブ内人事についてだ。現在スポーツダイレクターを務めるオリビエ・レトンは、カタール勢参入とともに同職に就いたレオナルドから呼ばれて昨年まではアシスタント・ダイレクターについていたが、以前からクラブ内の他のスタッフと折り合いが悪く、「レトン派」「反レトン派」に分裂させる要因となっていると漏れ伝わっている。
とくに、昨夏フットボール・ダイレクターという肩書きで雇われた元オランダ代表のパトリック・クライファートとは口をきくことすらない、とも言われ、現在のPSGは、チーム作りの体制が一枚岩になっていない状態にある。
この冬ドラクスラーを連れてきたのもクライファートの手腕であったから、どちらかを残すとなれば、おそらく彼だろう。
そして監督の去就については、これはアンチェロッティ、ブラン、いずれの場合とも同様に年内の交代はまずない。昨年の12月ごろだったか、成績が振るわなかった時期にカタール側はエメリを即切りたがっているという噂も流れたが、アル・ケライフィ会長が信頼をアピールして事を収めた。
会長はこの件について「彼は着任以来、このクラブを成長させるべく尽力してくれている」と語るに留めているから来季についてはなんともいえないところだが、残る3冠――リーグタイトル、フランス杯、リーグ杯――を勝ち取ることができれば、続投の可能性も上がるだろう。
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