レアル、ミラン、リバプールなどとは全く異なる組成
バルササポーターの感情を完璧に言い表す一つの小さな都市伝説が存在している。チームがゴールを決め、そのゴールを祝った後、不安を抱き始めてこう口にするという。「次に決められたら同点にされる。注意すべきだ」と。それがクレの態度だ。
先週水曜日のカンプ・ノウではその態度が完全に消え去り、希望を込めたチャントや信頼を表現する横断幕が支配的だった。チームとファンの間には異例の一体感が生まれていた。
レアル・マドリーもミランもリバプールも、欧州で最も栄冠を手にしてきた3つのクラブではあるが、大陸を制覇するために美しいプレーを必要としたわけではなかった。
彼らはいかなる相手であれ逆転して粉砕し打ち負かすことができる力を持った闘争心の権化だ。少なくとも過去にはそうだった。同時にそれぞれの国内リーグの支配者たることは必ずしも必要としてはいなかった。
バルサは全く組成の異なるチームであり、盲目的なほどに良いプレーを追求するあまり、自分たちのスタイルで勝てないのであれば立ち上がる力を持たないと世界に向けて叫んでいるかのように思えることも多々あった。
PSG戦の6-1というスコアは数字の上でも歴史的なものだ。数字にならない部分ではそれ以上かもしれない。バルサは立ち上がることができたからだ。プレー以上に勇気で、パスワーク以上に信じる気持ちで、牙を研いで敵陣を侵していた。そして何よりサポーターが信じており、相手を恐怖させていた。かつてないほど強い楽観主義と、かつてないほど弱い悲観主義で。
(ルジェー・シュリアク【バルセロナ/パネンカ】、協力:江間慎一郎)
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