リンカーン・シティのダニー・カウリー監督【写真:Getty Images】
現地時間11日に行われたイングランド・FAカップ準々決勝でアーセナルに挑んだ5部のリンカーン・シティ。結果は0-5の大敗に終わったが、103年ぶりにノンリーグ(プロアマ混合の地域リーグ)から同杯ベスト8に進出する偉業を成し遂げた。
クラブにとっても夢のような挑戦を終えたリンカーン・シティのダニー・カウリー監督は、試合後の記者会見で「本当にタフだったが、我々が成し遂げてきたことを誇りに思う」と歴史に残る快進撃を振り返った。英紙『サン』などが伝えている。
「我々はこれまで負けた時に幸せだと思ったことはなかったが、今はこれまでにやってきたことを振り返る時だ。本当に素晴らしい旅だったんだからね」
イングランドではトップレベルのプレミアリーグから4部相当のリーグ2までがプロリーグとして活動している。リンカーン・シティが所属するのはその下の5部にあたるカンファレンス・ナショナルで、サッカー以外の仕事をしながらプレーする選手もいる。
そんな彼らはFA杯3回戦で2部のイプスウィッチに勝利すると、4回戦では2部首位のブライトンを撃破。5回戦で初めてプレミアリーグのクラブと対峙し、直前にリーグ戦でチェルシーに勝利していたバーンリーを破った。
そして6回戦では敵地エミレーツ・スタジアムに乗り込み、国内屈指のビッグクラブであるアーセナルと対戦するチャンスを得た。リンカーン・シティにとってはまさに夢のような舞台だっただろう。
最終的には力の差を見せつけられる形で敗退が決まってしまったが、カウリー監督は決して下を向いていなかった。
「重要なのはここから学ぶことだ。我々は今日、ワールドクラスの選手たちとプレーした。その経験から学び、その結果として選手としてだけでなく、人間としてもより優れた存在にならなければならない」
選手からの信頼も厚い38歳の青年指揮官は大敗にも前を向いている。次なる目標はリンカーン・シティのリーグ2(4部)昇格だ。
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