慣れないポジションで奮闘。アシストも記録
香川は「普段やっていない形だった」と少し戸惑いながらも、主に繋ぎ役として、ゲームの中で与えられたポジションに順応していった。左WBに入ったラファエウ・ゲレイロのパスを受けながら、右のオーバメヤン、左のシュールレへ展開。
29分のカウンターの場面では、敵陣中央でゴンサロ・カストロのショートパスを受けると、ジョン・アンソニー・ブルックス、ウラジミール・ダリダ、原口元気の3人に囲まれながらボールを失わず、右足アウトでサイドを駆け上がるエリック・ドゥルムにパス。1つひとつ、丁寧にチャンスを演出していった。
「ポジションも変わったりしながら、自分も柔軟に対応した中で、今日は割と自分の中でフリーに動き出しをしたりスペースに走り込んで行ったり、動きに変化だったり工夫を加えながら試合に入れたと思いますし。そういう意味では、そういう感覚はすごく大事にしていきたいと思います」
そして55分には、アシストを記録する。オーバメヤンとゲレイロとの連動から、バイタルエリアでパスを受けた香川は、少しタメて、再びエリア内左のオーバメヤンにパス。ドルトムントのエースはきっちり決め切った。
このように香川の0トップは一定の成果を残したが、惜しむらくはチームのコンディションが整っていなかったことか。3日前にチャンピオンズリーグのベンフィカ戦を戦ったばかりのドルトムントは、疲労の跡が色濃かった。また香川自身、先に述べたように、久しぶりの先発に不安やプレッシャーを感じており、例えフィジカルコンディションに問題がなくとも、万全とは言い難かった。