トゥヘルの新たな実験。香川の「0トップ」起用
新たな“実験”が始まった。
2017年3月11日のブンデスリーガ第24節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでヘルタ・ベルリンと戦った。
香川真司は先発出場。後期日程開幕戦の1月21日に行われたヴェルダー・ブレーメン戦以来、実に10試合ぶりのことになる。
「先発が久しぶりというのは、2、3試合ぶりならあり得ることですけど、7、8試合、10試合弱になってくるというのは、通常では考えられない中で、やはり不安だったり、プレッシャーを感じながら試合を迎えました」
およそ2ヶ月ぶりの先発は、香川にとって簡単なものではなかったが、そのことがかえって集中を促したようだ。
「すごく難しい状況ではあるので、だからこそ肩の力を抜いてリラックスして試合に入ろうという意識はしていましたし、そういう意味では、良い入りができたと思います」
トーマス・トゥヘル監督からは、まず“1トップ気味に張ること”を求められたという。対ヘルタ戦のドルトムントの布陣は、傍目には[5-2-1-2]。ピエール=エメリク・オーバメヤンとアンドレ・シュールレの2トップに対して、香川はトップ下に入ったように見えた。
「最終的にはトップ下になるんですけど、最初は前に張って、2トップはシュー(シュールレ)とオバ(オーバメヤン)で、彼らが裏に抜けたら逆に僕が落ちて、彼らが落ちたら逆に僕が裏に抜けたり。0トップに近い形だと思いますけど。2トップっちゃ2トップ?…ちょっとわからないですけど」
香川の「0トップ」起用。今季これまで一度も試されなかった戦術だ。“実験家”トゥヘルは、ここに来てまた新たなオプションを考案したのだろうか。