意外と誤認されているアスリートに絶対不可欠な身体の仕組み、医学の知識
海外に来ている選手たちと話していて感じるのは、ただがむしゃらにだけやってる選手が意外にも多いということ。
私自身、アメフト選手時代大学二年生までは公式戦出場がない選手でした。当時、自分がしたことはまずは自分の体を知るということでした。外部のプロのアスレチックトレーナー、整形外科医の先生を訪ね、パフォーマンスアップのために必要なことを教わりました。
わからないことは専門家に聞く、簡単なようで中々難しいことです。それでも当時は医学の基礎知識なんかなかったので、自分なりにわかりやすく噛み砕いて理解する作業始め、肉体改造に取り組んだところ、念願の公式戦出場が叶い結果も出せました。
当時の経験は自分にとっては人生を変えるぐらい貴重で、医学を学び、そして今バサラでスポーツドクターとして活動できています。自分の経験を今度は医学の知識と共に選手に伝えること、これが自分の役割です。
例えば、体幹トレーニングという言葉がだけが先行して腹筋だけやってる選手がいたり、流行りのケトン体ボディにするために極端な炭水化物制限してる選手、アイシングにしても氷を長くあてるほど効果があると思っている選手もいたりします。
ひどい場合は捻挫したあと痛みこらえながら歩き、ケアしてない選手もいます。日本人でもドイツ人でも普段耳にする言葉でも誤認してしまっている選手が多いのです。
とはいえ選手に医学書を読ませて、専門用語を使うような説明だとわかってもらえるはずもなく、そもそも興味がないことを伝えても本末転倒です。
目的は選手がしっかりとした知識を得て、ケアやトレーニングを自立して行えることなので、言葉をできるだけ噛み砕き、興味を継続的に持ってもらえるよう伝え方には気を使っています。
伝え方やその伝えるテーマの基準は自分が現役だったらこんなこと知りたかったなと昔を思い出し決めています。一方通行の伝え方にならないよう、テレビに出てる著名人を参考にしたり、時事ネタを入れたり、工夫するようにしています。