冬の新戦力がフィット。ミランには終盤戦に向けて光明が
一方、今季のユーベには内容面で善戦し実際に結果を出していたミランも、この日はピリッとしなかった。もっとも、ジャコモ・ボナベントゥーラの長期故障欠場に加えてスソもいないとなれば、前線のクオリティ低下は避けられないというもの。その状態にあって、しっかりと中盤以下の守備を固めて堅実に戦ったことは評価できるところか。
1月加入の新戦力も噛み合っている。デウロフェウは縦の爆発的なスピードで、すっかりチームの武器と化している。バッカ負傷退場後はワントップになったルーカス・オカンポスも前線で体を張って動いていた。ドンナルンマの好セーブに助けられた面がかなり大きかったとはいえ、最低限勝ち点1をもぎ取るための現実的なアプローチはできていた。
もっとも最後のPKにつながるシーンの直前には、アーリークロスからイグアインにボレーシュートを打たれ、そのこぼれ球を大きく掻き出す前に相手に拾われている。そこをしのぎ切れるかどうかが、引き分けか負けで終わるかの分水嶺だったのかもしれない。
(取材・文:神尾光臣【トリノ】)
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