CLバイエルン戦で指摘された2つの問題。サンチェスは大敗にも心痛めず?
おまけに、13年ぶりのリーグ優勝が非現実的となり、7年連続のCL16強敗退となった今季も、その原因として同じ問題が指摘され続けている。
1つは守備の意識。バイエルン戦1stレグは、前半終了時点での1-1でも53分時点での1-2でもアウェイでは悪くないスコアだったが、弱点であり続ける組織力、集中力、統率力の不足を露呈して更に3点を奪われた。
もう1つの問題は精神力。2ndレグでの惨劇再演は、CBのローラン・コシエルニー退場を伴うPKで1-1とされた55分に始まった。ヴェンゲルが「極めて不愉快」と表現したように、たしかに理解し難い判定ではあった。それにしてもアーセナルは、理不尽な判定への怒りをエネルギーに変えることも、数的不利に耐える気概を見せることもなく失点を重ねた。
チームには、人一倍の闘争心と勝利意欲を持つアレクスシス・サンチェスという貴重な要人もいた。だがそのサンチェスも、直前にリーグ5位に落ちたプレミア前節リバプール戦(1-3)でのベンチスタートで、アーセナル戦士としての心が萎えた様子。
ヴェンゲルは、チームメイトに苛立つ姿が目に余ると判断したとされるエースを先発に戻して2ndレグに臨んだが、終盤にベンチに戻った後の当人は大敗に心を痛めているようには見えなかった。
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