CLとリーグ戦優勝を渇望するファン
かくいう筆者も同感だ。ヴェンゲルのアーセナルに「トップ4落ち」が危惧され、指揮官の進退が真剣に問われ始めたのは5年前。当時は仮に過去にすがっていると見られても、すがるだけの実績を残したヴェンゲルには続投の資格があると思えた。
契約更新を見た14年には、9年ぶりのFAカップ優勝で連続無冠に終止符も打った。しかし、その後は期待された前進が見られない。
20シーズン連続のトップ4を伴う停滞でもある。投資感覚の米国人オーナーは、「ヴェンゲルのファン」を自認する人物でなかったとしても、CL出場を確約する監督に文句はないだろう。だがファンは、04年以来のリーグ優勝とクラブ史上初のCL優勝を渇望している。
メディアも、イングランドの名門が4位以内で満足していると考えられる状況があってはならないと認識している。過去3年間は4位、3位、2位と順位を上げたように見えても、実際に優勝に近づいたわけではない。昨季にしても、最後の3試合で4位から浮上した2位だった。