美しい展開で理想的な先制点も…S・ラモスに事実上の2得点許す
そしてこの攻撃に、“ニセ9番”のメルテンスが絡む。これが第3のポイントだ。味方の故障と人材難を理由にセンターフォワードにコンバートされて以来、セリエAで点を取りまくっているベルギー代表のドリブラーは、相手のDFラインを押し広げて裏を突くための武器として機能した。
中央からあえて外に開き、相手センターバックをつり出し裏のスペースを狙う。そこに味方からパスが出ると、相手に走り勝って前へと突き進んだ。前半24分の先制点はインシーニエ、ハムシクのダイレクトパスに連動し、きつい角度から決めた美しいもの。メルテンスは38分にもバーを直撃するシュートを放っている。
前半のうちレアル・マドリーには2度チャンスを作られたが、それもナポリのパスミスを拾う形でしか作れなかった。1点を取り、しかもろくにチャンスを作らせずに前半を折り返す。2ndレグを2-0で勝ち抜けるには理想の展開だった。しかし、それだけやったナポリが後半にあっさり逆転を許した事実も、また重いものだ。
点を奪われたのはCKからだった。セットプレーではもっとも警戒するべき選手であるセルヒオ・ラモスに実質上2点を決められた。
ナポリは決して警戒を怠っていたわけではなく、マークを外しながらボールに合わせて走りこむ彼に対してもきちんと人は付いていた。しかし、御構いなしに決められた。逆転弾となった後半12分のシーンでは、メルテンスのオウンゴールも誘っている。