ナポリ、敗退もレアル相手に善戦。CL王者をイラつかせた3つの要素
「我われが勝ち抜ける可能性はせいぜい3%ぐらいだろう。でも、挑戦したい。せめてレアルを“イラつかせる”ぐらいのことはしたい」
UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグ、ナポリvsレアル・マドリー戦の前日会見で、ナポリのマウリツィオ・サッリ監督は俗語表現を交えながらそう語った。昨季のCL覇者相手に、1stレグを3-1で落とした時点で不利は相当なものだった。そして結果は、今度はホームでまたもや3失点。スコアだけを見れば、相手を苛立たさせるどころか軽くあしらわれて終わったと酷評されても仕方のないものだ。
だが試合を観た方の中には、前半が終了した時点で大逆転の勝ち抜けもあるのではないかと思われた方も多かったのではないだろうか。事実ナポリは、3%の可能性を引き寄せるだけのサッカーを実行していた。
CLアンセムに始まり大声援を送るホームのファンの後押しを受け、相手を崩して点を取り、前半で放ったシュートは11本。CLでレアル・マドリーがこれだけ押されたのは、2013年11月のユベントス戦以来のことだったという。
前半の善戦を演出した要素は3つあった。徹底したハイプレスによるビルドアップの寸断と、レアル・マドリーの戦術的な弱点をショートパスで突いた攻撃、そして“ニセ9番”ドリース・メルテンスを効果的に使ったフィニッシュワークだ。