「いまやこのチームになくてはならない存在」(リュディ・ガルシア監督)
理由その4:プレースタイル
「サカイは有能な右サイドバックだが、とくにオフェンス面で非常に高い能力を持っている」。そこが気に入っているとガルシア監督は酒井を評価する。
サイド攻撃を多用するゲーム展開を好むガルシア監督にとって、攻撃参加を得意とする酒井は好みのタイプの右サイドバックなのだ。
そして常に体を張ったアグレッシブなプレースタイル。若手記者のロマンは「僕は2戦目からすっかりヒロキのファンになった」と息巻くが、理由を聞くと「プレースタイルがアグレッシブで、ゴールにつながるクロスの精度が高いこと」だという。以前サポーターに話を聞いてまわったときも「彼のアグレッシブなプレースタイルはきっとマルセイユファンを味方につけると思うよ」と口々に言っていた。
何度もタックルを繰り返し、シャツを泥だらけにしてプレーする酒井は、オリンピック・マルセイユの精神を体現するプレーヤーだと認められている、ということだ。
理由その5:実力
当然ながら、人柄や取り組む姿勢、経験だけではレギュラーの座はつかめない。彼が毎試合起用されているのは、いまのマルセイユでプレーするだけの実力があるからだ。
ガルシア監督は「ヒロキは非常に、非常に、おもしろいサイドバックだ。彼はマルセイユでプレーするだけの素質がある選手だし、いまやこのチームになくてはならない存在。我々が求めていることにしっかり応えてくれている」と評価する。
そして「守備面についても日に日に理解を増しているし、コミュニケーションについても努力がみられる」と語った。今後の課題としては「ポジショニング」といった守備面や、相手のゴールチャンスの場面で、いかに周りと連携をうまくとるかということを挙げた。
前述のガロシオ記者は「フランスのサッカーへの理解がどんどん深まっているし、そのおかげで本人も自信を増しているように見える。サカイはチームのプレーにしっかり絡み、自分がやるべき仕事をいかにこなすかという点でも進歩が見られる。トーバンらコンビを組むことの多い選手たちも『サカイとはプレーしやすい』と言っているしね。サカイは自らのプレーで、ここに居場所があることを証明したよ」と語る。