ドイツでの経験。外国でプレーする上での心構え
理由その3:ヨーロッパでの経験
酒井について地元ラ・マルセイエーズ紙のマルセイユ担当ミシェル・ガロシオ記者は、「最初は大丈夫かな?という思いは正直あった」と話す。
「コージ・ナカタの前例があったからね。彼は十分に実力を発揮する機会も与えられないまま移籍することになったが、今度のサカイは大丈夫なんだろうか、と。しかしアドバンテージだな、と思ったのは、サカイに4年間のドイツでの経験があったこと。すでにヨーロッパのサッカーを体験していたのは大きい」
ドイツとフランスではまたプレースタイルも違うが、日本との違いにどのように対応するか、という点を体感していることは酒井本人も認めている。4年の蓄積があることは、いきなり日本から飛び込むのとは大きく違う。
それに、アドバンテージはプレー面だけではない。
「すべての外国人に共通することですけど、プレーが悪くなったら、言葉ができない、と言われるのは常。実際はそうではないですが」
「やはり自国選手は守られている。多少プレーが悪くてもフランス人選手は守られたりするが、外国人はそういうわけにはいかない。これはドイツでもさんざん経験してきたことなので」
こういった発言を酒井から聞くことがあるが、外国でプレーすることに付随する、プレー以外の事柄についての心構えや、意識しなければいけないこと、覚悟しなければならないこと、といった点をドイツですでに経験していることはものすごく大きなプラスだ。