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香川真司 8年前

香川真司、悪戦苦闘の日々。少ないチャンス、刻みたい“爪痕”

ボルシア・ドルトムントは4日、ブンデスリーガ第23節でレバークーゼンに6-2で大勝を収めた。後半途中から出場した香川真司は、限られた時間の中で“爪痕”を残さなければならなかった。少ないチャンスをいかに生かすか。理想と現実のギャップを埋めるため、背番号23はもがいている。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムント大勝。個々の輝きが結実

ウスマヌ・デンベレ
19歳のウスマヌ・デンベレがまばゆい輝きを放った【写真:Getty Images】

 たとえ試合のすう勢が決し、時間が限られていたとしても、観衆に、仲間に、そして監督にインパクトを残す。ベンチスタートした選手が出場機会を与えられたら、ゲームに“爪痕”を刻もうとしない者はいない。いつまた次のチャンスが巡ってくるとも限らない。フットボーラーに約束された明日はないのだ。

「あそこが今日は最大のチャンスかなと思った」

 香川真司はそう振り返った。2017年3月4日のブンデスリーガ第23節、ボルシア・ドルトムントがホームにレバークーゼンを迎え、6-2で大勝した後のことだ。

 香川が投入されたのは73分。既に勝敗の行方は決まっていた。44分にロイスが負傷退場するアクシデントはあったが、試合そのものはドルトムントが支配した。[5-2-3]の布陣で、高い位置を取るラファエウ・ゲレイロとエリック・ドゥルムの両ウイングバックを活かしながら、カウンターではマルコ・ロイス、ピエール=エメリク・オーバメヤン、ウスマヌ・デンベレの弾丸のようなスピードで攻め立てる。 

 デンベレは、ウイングとトップ下を行き来して、高い創造性を発揮した。6分の先制ゴールを皮切りに、25分にはロイスとのコンビネーションで2点目に繋がるCKを獲得し、そして69分、左サイドからのクロスでオーバメヤンの3点目をアシスト。ケビン・フォラントの単発的な反撃はあったが、若きアタッカーの縦横無尽の活躍でレバークーゼンは死んだも同然だった。

 そのデンベレに代わって、香川は投入された。

「やっぱり得点とアシストにはこだわって試合に入りました」

 その思いは、香川より先の44分に入ったクリスティアン・プリシッチ、そして後の81分に入ったアンドレ・シュールレも同じだっただろう。

 プリシッチは77分、ドゥルムの右からのマイナスの折り返しを、香川の目の前に割って入るようにしてゴールを決める。シュールレは85分、中央突破して獲得したPKを自ら決めた。

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