ファンや記者にも愛される久保はヘントの“アイドル”へ
久保はすでにヤングボーイズでヨーロッパリーグに出場しているため、ヘントで同大会に出場することはできない。それでも、コンディション調整に十分な時間を費やし、日々懸命に練習に取り組む久保の姿勢に、チームメイトは信頼を置いている。
ポゾニール記者も「ユウヤはチームにとって完璧なピースだ。次のステップではヘントのアイドルになっていくと思う。すでにファンは彼の名前を叫んでいるし、彼はとても愛されている。ヘントにとって初めての日本人選手だけど、僕はもう大好きだ。最大のライバルであるブルージュ相手にゴールを決めたことでファンにもすぐに愛されるようになった」と、今後のさらなる活躍を確信している。
怪我のリハビリ中に吐くまでトレーニングするなど、自分と真摯に向き合うストイックさで知られる久保。4シーズン目を迎えた海外生活は、ドイツ語は記者たちが「素晴らしい」と称えるほどのレベルに上達し、ベルギー移籍後は新しいチームメイトたちとより深くコミュニケーションをとるため英語の勉強も本格的にスタートさせた。
久保本人も常に現状に満足せず、高みを目指し続けている。全幅の信頼を寄せられた環境でこれまで通り懸命に努力を続ければ、さらなる飛躍への道が開けてくるだろう。
ヘントの現実的な目標は6位以内を確保してプレーオフ出場圏を獲得することになる。チームメイトや監督、ファンからの信頼を揺るぎないものにした23歳の久保は、低迷するチームを高みへ導く原動力となるに違いない。
(取材・文:舩木渉【ヘント】)
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