その場しのぎのお金の使い方ではクラブが育たない
JOY「難しいね、これ(笑)。やっぱりチームによっても違うから。でも18億5000万円入るんですね、3年で」
松木安太郎(以下、松木)「でも勝ったチームでしょ? これって」
JOY「じゃあ、さっきの松木さんの話じゃないですけど、もし弱いチームが優勝したら、相当大きいですよね」
松木「だからね、それがねえ……難しくなるんじゃないかと思うよね。弱いチームが勝つ構造というのが難しくなるんじゃないかと思う。だって、今上位のチームと下のチームの、基本的にかけてる金額って元々相当差があるでしょ」
永島昭浩(以下、永島)「そうですね。ですから、今年のレスターのように、去年優勝して、今年落ちるかもしれないと。そして、18億入るんだけども、来年は0になるかもしれないと。短期的な計画は出来ますけど、長期的な計画で使う資金としては不安定になる、ということですよね」
フローラン・ダバディ(以下、ダバディ)「スペインではね、本当はバルセロナとレアルしかキャッシュイン(お金が入ってくること)しなかったその放映権がますます平等になりつつあって、今はもうちょっと平等に渡るんです。乾(乾貴士)くんが行っているエイバルという小さなクラブがあって、バスク地方の山と山の間に挟まれている本当に小さな集落にあるクラブなんですよ。
突然沢山のお金が入って、彼らは育成年代向けのファシリティ(施設)を作ったりとか、すごく良い選手を初めて取ったり。確か、今あまり見てないけど、リーガでトップ8ぐらいに入っているよね?
例えば日本とか中国でサポーターズクラブを始めて、それに投資をするようなものすごく優秀な経営者がいれば、今永島さんがおっしゃったような長期間のビジョンが生まれるかもしれない。ただ、その何億円でパッと監督とか選手だけに投資をするのはちょっと違うのかなあ」
永島「僕もそう思います」
松木「当面の、このチームだけを短期に強くするための金額じゃない、っていう。そこ(監督や選手)に投資しないほうが良いってことですよね? 僕もそう思うな」