広げたいバルサ、縮みたいアトレティコ。正反対の志向
攻撃は広く、守備は狭く。サッカーのセオリーだが、リーガエスパニョーラ第24節は広げたいバルセロナ、縮みたいアトレティコという正反対の指向を持つチームの対決だった。
バルセロナは中盤を菱形に組む3-4-3でスタートした。フラット型4-4-2のアトレティコに対して、右に左にボールを動かしてフリーで起点になりうる選手を作ろうとする。とくに3バックの右側担当のピケにボールを持たせて、アトレティコのMFを引っぱり出そうとした。
プレス最優先のアトレティコはサウールがピケへ向かっていく。アトレティコのポジション修正が速いせいか、あるいはピケに来るのがサウールとは予想していなかったのか、バルセロナは上手くパスを回せない。
拡散して「ロンド」に持ち込もうとしたバルセロナは目論見が外れ、収縮指向のアトレティコのリズムで前半は進む。アトレティコはサイドチェンジを全くといっていいほど使わない。ボールサイドを攻め切ろうとする。フィールドの半分にほとんどの選手が入ってしまう状態に、あえてしている。
味方が集まってくれば、相手も集まってくる。密集になる。密集であれば、ボールを失ってもプレスをかけやすい。だからアトレティコはボールを下げない。一時的に下げてもすぐ前へフィードするために下げるだけ。前へフィードして全体が前へ押し上げることで、相手ボールになってもプレスで優位に立てるからだ。