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吉田麻也がリーグ杯決勝を戦った意義。ベスト11にも選出、日本人CBの先駆けに【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images , Kozo Matsuzawa

3失点も、吉田は安定したパフォーマンスを披露

吉田麻也
決勝のプログラムには吉田を特集する記事もあった【写真:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三】

 立ち上がりは硬さが見られた“セインツ”(サウサンプトンの愛称)の選手たち。吉田も例外ではなかった。前半4分に後方からのロングボールにユナイテッドのエース、ズラタン・イブラヒモビッチと競り合いにいくがあっさりといなされ、吉田はピッチにしりもちをつき自陣のエリア近くでボールを奪われてしまう。

 だがここでは、イブラヒモビッチのファウルという判定になり難を逃れている。しかしその後は徐々にセインツのペースになり、吉田も調子を上げる。ユナイテッドの攻撃は組織力に欠ける一方、イブラヒモビッチとアントニー・マルシアル、そしてジェシー・リンガードの3トップの高い個人能力を最大限に活かしてサウサンプトンゴールを狙うものだった。

 中でもプレミアリーグ1年目ながら、今季全大会を通じて25ゴールを挙げているイブラヒモビッチは危険な存在だった。そんなワールドクラスのストライカーのマークを主についたのが、吉田である。

 結果だけ見れば、この試合でマンUは3点を奪いそのうちの2点はイブラヒモビッチが決めている。だがそれだけを見て額面どおりに受け入れたのでは、この日本代表DFにとっては酷な話のようにも思える。

 なぜなら吉田のパフォーマンスレベルは高く、勝負の行方もほんの紙一重という次元だったからだ。例えば前半25分や後半9分、さらに同22分には敵の攻撃を読んだ早めの動き出しからボールをインターセプト。これは今季度々見かける光景で、身体的な瞬発性とともに高い集中力を維持して瞬時の判断力があるからこそできるプレーである。

 また空中戦でも195cmと長身のイブラヒモビッチや後半からトップ下を務めた絶対的な身体能力を誇るポール・ポグバにまるで引けを取らなかった。前述した前半4分の失敗があったからか、同22分に起きたイブラヒモビッチとの競り合いの際には、後ろから背中を押してファウルすれすれのプレーでボールを跳ね返し、逆にイブラヒモビッチがピッチに倒れこんだ。

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