指揮官から確固たる信頼得るも…チームはまさかの低迷
楠神順平が豪州に活躍の場所を求め、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(以下、WSW)の一員となって早半年の時が流れた。ここまでの楠神は、トニー・ポポヴィッチ監督の信頼を得て、Aリーグ21試合すべてに出場(そのうち先発は16試合。2月27日現在)。非常に柔軟な選手起用でシーズンを戦う傾向の強いポポビッチ監督の下で安定した出場機会を得て、十分なまでの存在感を発揮している。
楠神個人の奮闘とは裏腹に今年のWSWは、なかなか波に乗れない。勝ちきれない試合が続き、シーズン残り6試合となった段階で、試合終わった時点で5勝9分7敗、10チームしかいないリーグ戦で6位と低迷(2月27日現在)している。
毎年のようにチームを「スクラップ&ビルド」しながらも安定した成績を収めてきたポポヴィッチ監督の手腕は豪州国内で高く評価されている。昨季も低い下馬評を覆してレギュラーシーズンを2位でフィニッシュ。現在進行中のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を獲得すると、Aリーグのファイナル・シリーズ(上位6クラブによるプレーオフ)でもチームを準優勝に導いた。
しかし今季に入って、その神通力にも陰りが見えてきた。毎年オフシーズン恒例の大量放出で昨季の主力はごっそり抜けたのも、これまでなら「毎年のこと」と割り切れたのだが、新チームになった今季は成績がまったくついてこない。他を寄せ付けない強さで首位をひた走るシドニーFCには勝ち点26(2月27日現在)の大差をつけられ、シーズン優勝のタイトルの可能性は既に潰えてしまった。