相手に持ち味発揮させずチャンス量産
フライブルクを下したドルトムント【写真:Getty Images】
“アウェイ”で完勝した。2017年2月25日のブンデスリーガ第22節、ボルシア・ドルトムントはSCフライブルクと戦った。
後半戦に入ってから、アウェイの勝率が低かったドルトムント。さらに上位に食い込むために、再び連戦がスタートすることを考えても、フライブルクで勝利を収めることは重要だった。出だしで躓くわけにはいかないのだ。トゥヘル監督は「勝ち点3を奪いに乗り込む」と宣言していた。
ロイスが「フライブルクはホームで極めて強い。彼らは昇格組としていいサッカーをする」と言うように、シュトライヒ監督が作り上げたチームは、個々の戦術理解度が極めて高い。監督のアイデアを、それがシンプルであるが故か、各々が消化しきっている印象だ。しっかりとした守備組織とボールを奪ってからの素早い展開に、バイエルンであれどこであれ、多くのクラブが手こずってきた。
しかしドルトムントは、そんなフライブルクの持ち味を、全くと言っていいほど発揮させなかった。[5-3-2]の布陣で、ゲレイロは左SBに入る。バイグルとカストロの中盤に、ロイス、オーバメヤン、デンベレの3トップ。誰もがハードワークを惜しまず、攻守の切り替えに余念はない。
特に13分、直接FKからソクラティスのヘディングで先制点を奪ってからは、安定した試合運びを見せた。高い位置での守備がハマり、オーバメヤンが奪ってショートカウンターを仕掛けていく。ワントップの献身的な守備から波に乗る、ドルトムントらしいアグレッシブなサッカー。敵陣でのポゼッションと波状攻撃は、前半だけで14本のシュートを生み出した。
だからロイスは「僕らはフライブルクを全く試合に入り込ませなかった。ハーフタイムまで1ゴールというのは少な過ぎたね」と振り返る。1ゴールが決まったとは言え、チャンスの数で圧倒しながら相応の結果に結びつかない展開は、どこか14日のCLベンフィカ戦のようだった。しかし、この日はオーバメヤンの調子が違った。55分、70分と2ゴール。攻守に活躍したエースが軸となって、ドルトムントはフライブルクに3-0で勝利した。