近い将来の復帰に現実味
24日の練習を終えた柴崎は、これまで通りメディアに対して口を閉ざしたまま帰路に着いた。前述のパディージャ氏は「彼とメディアが話すことができるのはデビュー戦の試合後からだ」と断言しており、公式戦のピッチに立つまで何も語らない可能性が高い。
実際に我々メディアはテネリフェでの練習再開から2日間で、柴崎の口から一言もコメントを引き出すことができなかった。しかし、ピッチで彼の活躍を見られる時が確実に近づいているのは間違いない。
パディージャ氏の発言のようにジムでの調整が順調に進み、週明けからチームの全体練習に合流できれば、来月3日にホームで行われるミランデス戦に出場できるかもしれない。これが復帰に向けた最短のプロセスとなる。
ただ、テネリフェのホセ・ルイス・マルティ監督は記者会見で「我々は少しずつ進んでいこうとしている。急いではいけない」と述べ、柴崎の早期復帰に慎重な姿勢を崩していない。新たな環境への適応に時間がかかることを強調しており、じっくりチームとの融合を進めていく構えだ。
グラウンドに出て練習を再開するめどが立ったことで、待望の公式戦出場に向けて一筋の光明が見えてきた。一時は胃腸の問題や不安障害の可能性が取りざたされ窮地に陥っていたが、クラブの全面バックアップもあり、近い将来の柴崎復活がより現実味を帯びてきている。
(取材・文:舩木渉【テネリフェ】)
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