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原口元気、欧州トップ仕様への進化。他競技に学んだフィジカル論とメンタルの確かな成長【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 元川悦子 photo by Getty Images , Etsuko Motokawa

念願の今季初ゴール。良い流れを代表へ

原口元気
ヘルタの練習場で取材に応じた原口元気【写真:元川悦子】

 2017年に入ってからの原口は、まずはヘルタでのプレーに集中し、自然体を心がけて心身両面の復調のきっかけを探った。1月は契約延長のゴタゴタもあって先発奪回には至らなかったが、4試合ぶりのスタメンとなった2月4日のインゴルシュタット戦で念願だった今季初ゴールをゲット。いい時の彼が完全に戻ってきた印象だ。

 1月には現地メディアからオーバーモチベーションとも報じられたが、原口はこれを否定。今後の課題に、チームメイトとのコミュニケーションを挙げた。

「いやいやいや(苦笑)。メチャクチャフィットしてましたけどね。1月の移籍期間が終わって、次に(市場が)空くのは半年後なんで、自分は今季終了まで必ずここでプレーしなきゃいけない。ヘルタで結果を残すために今までは自分の能力を上げることばかり考えてたけど、チームに自分から働きかけることも大事かなと感じてます。

 インゴルシュタット戦の得点シーンを振り返っても、自分にあんなボールが出てきたことはない(苦笑)。もっとボールが来るようにコミュニケーションを取りたいですね。年明けから右サイドに入っているので、余計にシュートが難しくなったのはあります。仕方ないけど、左足もだいぶシュートを打ち込んでるから1本でも2本でも(パスが)出てきてくれれば決められるようにしたい。最終的にシーズン5点くらいは何とか取りたいと思ってます」

 チームを生かし、自分も生きるという好循環を作れれば、もっとゴールを量産できるはずだ。原口にはそれだけのポテンシャルがある。ヘルタでの良い流れを、3月から再開される日本代表の最終予選後半に持ち込んでくれれば理想的である。

 ヘルタと日本代表を掛け持ちできるだけのフィジカルとメンタルを備えて高みを目指す。それがこの男の生きざまだ。

(取材・文:元川悦子【ベルリン】)

【了】

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