完成度を増す攻撃的フォーメーション。ベスト8進出へ相当な優位に
さらにユーベは、同じく途中出場のダニエウ・アウベスが投入されてすぐに2点目を決める。これもまたパスワークからだ。裏のスペースにピャニッチがタイミング良くパスを出し、アレックス・サンドロが走り込んでクロス、これが得点につながった。
後ろで正確に組み立て、サイドに味方が走りこめば絶妙のタイミングでパスが出てくる。そしてディバラを軸に、前線では目まぐるしく入れ替わりながらクロスやスルーパスに反応して走りこむ。実直な勝負強さをチームカラーとするユベントスだが、この日は積極的に仕掛けて点を奪った。
リーグ戦でもそうだが、攻撃的なフォーメーションは試合を追うごとに完成度を増している。特に前半戦では今ひとつポジションの決まっていなかったピャニッチは、下がり目のレジスタとしてフィットを果たし、勝因の一つとなった。
もう一つ特筆すべきは、ユベントスは相手のカウンターを潰すという守備もきっちりこなしていたということだ。ゴンサロ・イグアインも積極的に走り、高い位置でのプレスやボール奪取に貢献。彼らは相手が10人になっても手を抜かずにハードワークを続け、カウンターの流れを切り続けていた。
試合後、「勝負は全く決まっていない」とアレグリ監督は気を引き締めた。しかし、現実的にアウェーで2点が取れて失点も回避できたことで、ベスト8進出へ相当に優位な状況になったのは間違いない。
(文:神尾光臣)
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