数字以上の貢献。攻撃の起点として好機を演出
今季のブンデスリーガで21試合全てに出場し、4得点4アシストを記録している大迫勇也。第3節と第4節のスペクタクルなゴールは「大迫、半端ない」というキャッチフレーズを呼び覚ましたが、試合での貢献は数字以上のものがある。
基本的にアントニー・モデストと2トップを形成するが、そのパートナーが得点王ランキングのトップに並ぶ17得点を挙げていることは大迫の働きと無関係ではないのだ。
昨シーズンはサイドハーフやトップ下のポジションがメインであり、そのことがあまり得点チャンスに絡めなかった1つの理由であった。大迫としては本職のFWとして起用されることで能力を発揮しやすいと彼自身も語っている。とはいえ堅守速攻がベースになるケルンにおいて、2トップで起用される場合も大迫が起点として絡むことで多くのチャンスが生まれていることは確かだ。
そのため、周りのチャンスメークにゴール前で合わせるだけというシーンより、遠目の位置やワイドで受けてペナルティエリア内に侵入して行く形が多くなる。2得点を挙げた第18節ダルムシュタット戦の1点目は大迫がパサーとして信頼するレオナルド・ビッテンコートのクロスにゴール前で見事に合わせたが、これも大迫を起点とした攻撃がフィニッシュまでつながった格好だ。
3年前に鹿島から2部の1860ミュンヘンに移籍してからドイツでプレーする大迫は、持ち前の高い技術に加え、厳しいプレッシャーに負けることなくボールをキープする能力を高めており、イージーにボールを失うシーンはほとんど見られない。13年からケルンを指揮するペーター・シュテーガー監督も大迫の万能な働きを高く評価している。