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Jリーグ 8年前

鹿島、新黄金期への第一歩。配分金の増額に合わせた強化プラン。勝ち組のサイクルへ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「クラブW杯のリベンジもあるし、ACLは絶対に」

フジゼロックス・スーパーカップを制した鹿島アントラーズ
フジゼロックス・スーパーカップを制した鹿島アントラーズ【写真:Getty Images】

 レッズ戦を前にしたミーティングで、石井正忠監督は中2日でグループリーグ初戦を迎えるACL、1週間後に開幕するJ1へつなげる狙いを込めて必勝を厳命。長いシーズンで目の前にあるすべてのタイトルを獲りにいくうえで、所属するすべての選手の力が必要になると力を込めた。

 フジゼロックス・スーパーカップを皮切りに、リーグ戦、YBCルヴァンカップ、天皇杯の国内三大タイトル。そして、いまだにラウンド16の壁を打ち破れていないACL。貪欲な思いを膨らませているアントラーズの選手たちが、最も強く意識しているのがACLとなる。昌子が言う。

「クラブワールドカップのリベンジもあるし、それに向けてACLは絶対に、という気持ちもある。その一歩目となるタイトルを取れたことはよかったし、これを弾みにしたい。これを取ると取らないのとではけっこう違うと思うけど、取ったからにはこれで終わりということで。すぐにACLが始まるので、浸らないように切り替えて頑張らないと」

 今シーズンのクラブワールドカップはUAE(アラブ首長国連邦)での開催となる。開催国枠代表はUAEに移るため、決勝で延長戦の末に敗れた悔しさを晴らすためにはACLを制し、アジア代表の座を勝ち取るしかない。元日の天皇杯を制した直後に、昌子はこんな言葉を残してもいる。

「来シーズンは打倒アントラーズで来るチームが多くなる。その中でもちろんJ1連覇を目指すし、一度でもタイトル獲得を味わうと『もうやめられん』というか、もう一回取りたくなる。去年も当初の目標は三冠であり、そこにクラブワールドカップ制覇も加わった。その中で二冠に終わったことは鹿島としては不甲斐ないし、反省するところでもある」

 J1連覇を至上命題として掲げるフロント。タイトルのなかでも特にACLを強く意識する選手たち。目標は異なるようで、その実は車の両輪を成し、常勝軍団を力強く前進させていく。ホームのカシマサッカースタジアムに蔚山(韓国)を迎える21日のACLグループリーグ初戦から、本格的な戦いが幕を開ける。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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