戦力として評価されず…加入当初から様々な批判
戦力として評価をされていないということは、厳しいようだが出場時間の少なさが物語っている。短い出場機会の中でも満足なパフォーマンスを出来たわけではなかったから、監督からの評価が低いものになるのも仕方がない。
ただ、2年半の間で公式戦83試合に出場していた選手が急にこうなるというのも解せないところだ。この3年間の成績の意味は何だったのか。
本田圭祐が加入当初から様々な批判にさらされた選手だったことは、これまでも様々なニュースソースで伝えられているところである。「本田は10番どころか、本当だったらミランに在籍するべき実力の選手ではない」ということを、ファンもメディアも、元選手も語っていた。
しかし、経営難に直面するミランは昔のように良い選手を取れなくなっていた。新戦力の獲得手段はピークを過ぎて出場機会のない「元スター選手」を買うか、移籍金ゼロで取れそうな選手を獲得するかという2手に分かれていた。そして本田は、後者のうちの一人だった。
かつてのオランダトリオにアンドリー・シェフチェンコ、全盛期のカカー、またアンドレア・ピルロらの名手に見慣れたファンは激しく拒絶した。本田が14/15シーズンの序盤で6試合連続ゴールを挙げても、評価は全く変わらなかったのである。マークがきつくなって点が奪えなくなれば一斉に批判を浴びる。
過渡期でチーム全体のパフォーマンスが低迷していたことも、彼には不運だった。ショートパスの交換をベースとした遅攻の中で活きる選手だが、必要とされる距離感は得られない。そして、個で状況を打開できなければさらなる批判に晒された。
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