齋藤学の残留は最大の“補強”。新主将&10番も託される
急速な若返りが吉と出るか凶と出るか。補強からも分かる通り、クラブが世代交代を推し進めていることは明白。エリク・モンバエルツ監督の要求する戦術的な動きをチーム全体に浸透させつつ、若手の成長を促したい。
攻撃の核である齋藤学が残留を決め、新たに10番を背負うことが決まった。さらに新主将にも任命され、名実ともにチームの中核となった。海外挑戦の可能性が盛んに報じられていただけに、残留はある意味で大きな“補強”と言えるだろう。
今季のチームは齋藤を軸に攻撃を組み立てていくとすれば、中村俊輔から「10番」を受け継いだドリブラーが背負うものは、その背中に輝く数字よりも大きな意味を持つ。
これまで前任の「10番」が君臨していたトップ下は、左足の精確なキックを武器に台頭してきた天野純や、バルサ出身の技巧派MFバブンスキーらが争うことになる。それぞれ違った強みを持つ2人がマルティノスや齋藤、H・ヴィエイラといったアタッカー陣といい関係を築ければ、魅力的かつ破壊力抜群の攻撃を披露できるだろう。
守備は今年も大ベテランの中澤佑二が中心となって若い選手たちを引っ張っていく。これまで通り大きな不安はなく、堅守を実現できるはず。守備が安定すれば、チーム全体のパフォーマンスとバランスが向上し、簡単に崩れない組織が出来上がるに違いない。
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