井手口、フェアー・モービーが所属するHAGLとは
HAGLでプレーするグエン・コン・フォン【写真:Getty Images】
国内屈指の下部組織とされるHAGLアーセナルJMGアカデミーを有し、“ベトナムのメッシ”ことグエン・コン・フオンや“ベトナムのピルロ”ことグエン・トゥアン・アインなど、各年代で活躍するベトナム代表選手を多数輩出してきたHAGLは現在、トップチームの大半が下部組織出身選手で占められ、平均年齢は22歳という非常に若いチーム。
波に乗った時の攻撃力には目を見張るものがあるものの、課題はやはり昨季リーグワースト3の50失点を喫した守備。この脆弱な守備陣を立て直すべく、HAGLが獲得したのがフェアー・モービーというわけだ。
昨年の井手口の移籍が横浜FCとの業務提携がきっかけだったのを考えると、今回のフェアー・モービーの移籍は、クラブ間提携とは無関係にトライアウトを経て、契約を勝ち取った初めての日本人選手(多重国籍ではあるが)と言えるかもしれない。
厳密にいえば、過去にもベトナム1部でプレーした日本人選手はおり、後に“アジアの渡り鳥”の異名で知られるようになる伊藤壇が2003年にサイゴン・ポートに所属しているが、現在は外国人枠の規定がさらに厳しくなり、当時とは状況が異なる。
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