理想のサッカーで敗れたドルトムント
ボルシア・ドルトムントの香川真司【写真:Getty Images】
したたかに曲者を退けられるか。2017年2月18日のブンデスリーガ第21節、ボルシア・ドルトムントはホームにヴォルフスブルクを迎える。
現地時間の14日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝ラウンド1stレグ、ドルトムントはアウェイでベンフィカを圧倒した。追い求める理想をピッチ上に描き、敵の4本に対して14本のシュートを打ち、ポゼッションでも65%を記録。しかし、仮にデータ上の数値で上回ったとしても、それが必ずしも勝敗に直結するとは限らないのがサッカーだ。48分、CKから最後はミトログルに決められると、これが決勝点となり、したたかなセットプレーの一発に沈んでいる。
リスボンでの敗戦を受けて、ドルトムントは公式戦2連敗を喫した。再び上昇気流に乗り来季CL出場権圏内を維持するためにも、対ヴォルフスブルク戦を落として公式戦3連敗となるわけにはいけない。
ヴォルフスブルクは昨年10月、成績不振を理由に前監督ディーター・ヘッキングを解任した。続く12月、バイエルン・ミュンヘンに0-5で敗れた翌日、クラウス・アロフスSDも解任となった。近年の躍進を支えた2枚の看板を手放す決定を下したヴォルフスブルク。前進するために、フットボールの世界はそうした“決断”の連続だ。しかし、その全てが事態の好転を招くとは限らない。ヴァレリエン・イスマエル暫定監督が率いるチームは、依然として14位と低迷中なのだ。