元日本代表監督のジーコ氏【写真:Getty Images】
元日本代表監督のジーコ氏は、サッカー界で急速に存在感を強めている中国においては、本当の意味でサッカーを発展させるための取り組みが行われていないと批判的見解を述べた。伊メディア『モンドウディネーゼ.it』が17日に伝えている。
ジーコ氏はJリーグ草創期に日本の鹿島アントラーズで現役時代の最後の時期を過ごし、サッカー先進国であるブラジルからの“伝道師“として日本サッカーの発展に大きな役割を果たした。その後は日本代表監督も務めたあと、トルコやウズベキスタン、ロシア、ギリシャ、イラク、カタール、インドと世界各地で多くのチームを率いてきた。
現在の中国では、かつて日本でジーコ氏らがプレーしたように、欧州や南米から多くの大物外国人選手たちが集まっている。だが、サッカーの発展に向けた取り組みにおいて、両国には大きな違いがあるとジーコ氏は感じているようだ。
「異なっているのは、日本ではサッカーを成長させるための仕事が行われているということだ。20年前には、日本の選手が頭角を現すとは誰も考えていなかった。今はそうではない」とジーコ氏は、現役時代の古巣であるイタリアのウディネーゼの本拠地で17日に行われた会見で話している。
「成長しつつある動きに活力を与えるためには、ジーコやその他多くのスター選手がいるだけではダメだ。その国の選手たちを成長させることが必要だ。中国ではそれができていないと思う。中国のサッカーが成長しているようには見えない。欧州リーグのスター選手を呼ぶことだけを考えている」と中国の現状を手厳しく評した。
昨季までインドのFCゴアで監督を務めていたジーコ氏は、インドについても「時間がかかる」とコメント。アジアのサッカーはいまだ遅れを取っていると指摘しつつ、一方でアフリカには今後の台頭の予感が感じられると述べている。
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