ロドリゲス監督は保守的だった徳島を改善できるか?
一方の徳島は、昨年はピッチ上のあらゆる場所でおおむね平均的なチームだった。プレーオフ圏内への挑戦が現実味を帯びなかった理由は、試合終盤の集中力あるいは体力の欠如にある。42点の総失点のうち20点が、試合の残り30分以降に奪われたものだ。
負傷によりユースレベルで選手としてのキャリアを終え、24歳で指導者の道を歩み始めたロドリゲスは、その部分の修正を図りたいと考えていることだろう。
UEFAプロライセンスを保有する彼はスペインでいくつかの仕事を経験したあと、2011年にサウジアラビアでの仕事を開始。2014年にはラーチャブリーの監督として初めてタイでの職に就き、さらにバンコク・グラスとスパンブリーを率いた。だがスパンブリーでの仕事はわずか3ヶ月で終えている。
ロドリゲスはフレキシブルな指導者のようで、選手たちのメンタルやモチベーション面を重視している。彼の呼ぶ「戦術特定」というスタイルを用い、個々の選手が特定の役割を果たす上での綿密な指示を与える。彼のブログを覗いてみれば、昨シーズンの後半はJリーグの試合を視察していたようだ。日本のサッカースタイルには慣れ親しんでいるはずであり、細部までこだわるアプローチはこの国の選手たちによく合いそうだ。
その手法を通し、保守的であった長島前監督のサッカーからの改善が成されることを徳島は望んでいることだろう。昨季のチームは試合に勝つこと以上に負けないことに集中しているかのようだった。
それが実現するかどうかは今後次第だとしても、今季のJ2はこれまでになくオープンな戦いとなりそうだ。スターティングラインに立つ新たな男たちは、慎重な中にも自信を抱いている。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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