得点力に乏しい千葉。元レアルFWのエスナイデルが掲げるスタイル
ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ、徳島ヴォルティスはいずれもJ1で戦った経験のあるチームだが、日本人監督に率いられた昨年はトップリーグ復帰に遠く及ばない結果に終わった。関塚隆監督から長谷部茂利監督へと交代したジェフは11位でフィニッシュ。冨樫剛一監督の率いたヴェルディは18位に低迷し、長島裕明監督の徳島も9位止まりだった。
その成績を改善すべく、ジェフは元ヘタフェ監督のフアン・エスナイデル、ヴェルディは元ビジャレアル監督のミゲル・アンヘル・ロティーナを招聘。徳島も、サウジアラビアサッカー協会やタイのバンコク・グラスなどで仕事をしてきたリカルド・ロドリゲスをポカリスエットスタジアムに迎えた。
アルゼンチン人のエスナイデルはレアル・マドリーやユベントスなど欧州のビッグクラブでストライカーとしてプレーし、現役時代にはマルチェロ・リッピやカルロ・アンチェロッティ、マルセロ・ビエルサらの指導を受けた。だが監督としてのキャリアはここまで振るわず、ヘタフェとコルドバを率いていずれも成功を収めるには至っていない。
前任の長谷部監督は、昨季の残り17試合の時点で関塚監督からチームを引き継いだ。エスナイデル新監督のコーチングスタッフの一員としてチームに残った彼は十分に良い仕事をしてはいたが、創造性のある選手たちに攻撃面で力を発揮させようとするよりも、常にチームの守備面の統制を保つことに気を遣っている様子だった。
エスナイデルにはその点でチームを改善することが求められる。彼は3-4-2-1のシステムを好んでいる様子であり、高い位置でプレスをかけて両サイドから攻撃する形を志向するようだ。
昨年のジェフはパス数(21522本)とクロス数(719本)がJ2で3番目に多く、ボールタッチ数(28608回)も3位だったが、シュートの枠内率(456本の32.7%)はリーグワーストだった。エスナイデル監督としては、UAEから獲得した同胞ホアキン・ラリベイがその点を改善してくれることを期待しているだろう。