「驚異的」、「魔法のようだ」。翌日の現地紙は大騒ぎ
「勝てると信じていたが、まさか4-0とは……」(マルコ・ヴェッラッティ)
と実際にプレーした選手でさえ漏らしたほど、ほぼ完璧なプレー内容でPSGはバルセロナに圧勝した。
パリジャン紙によれば、過去に第1レグを4-0で勝利した185チームのうち、次ラウンドに勝ち抜けたのは……185チーム。つまり、PSGは8強入りの可能性を、ほぼ100%に近い確率で手に入れた。
翌日のレキップ紙の見出しは『PRODIGIEUX』(驚異的)、パリジャン紙は『MAGIQUE!』(魔法のようだ!)等々、現地は『パリ・サンジェルマン史上最高の一戦』と大騒ぎだ。この試合を中継したBeINスポーツは、ピーク時には180万人という歴代最高視聴人数を記録した。
実際、この試合でのPSGの戦いぶりは「驚き」だった。試合後の会見で、ウナイ・エメリへの質問の口火を切ったパリジャン紙のPSG担当ドミニク・セベラックの質問が、「今日のパフォーマンスにはいったいどんな秘密が?」だったのも、今季のPSGからは予想し難いパフォーマンスだったから。
その質問にエメリはこう答えた。
「この試合に合わせて的確な準備をしてきた。バルサのような強豪相手の試合では、90分間、一瞬たりとも気を抜かない集中力と、個人技とチームプレーが両方とも効果的に発揮されることが必要だ。それらすべてが機能した結果だ」
指揮官が口にするありがちなセリフではあるが、実際に勝利の決め手となったのは、選手も含めたチーム全員が何本も何本もバルサの試合のビデオを見て相手を研究し、それをベースに講じた戦略をピッチ上の選手全員がまっとうしたこと。
そして選手ひとりひとりが自分に与えられた役割に忠実に動きつつ、試合によってパフォーマンスに波があるのは避けられない中、全員が持てる力を最高レベルで発揮できたこと、だったように思う。
たとえば18分、直接FKからという最高の形で先制点をとったアンヘル・ディ・マリア。彼は今季レギュラーに定着できず、この冬のメルカートでユリアン・ドラクスラーの入団が発表されると、中国リーグ行きはほぼ確実と言われていた。