レスターでプレミア優勝。30歳でも進化は止まらず
指揮官が求めるハードワークをこなしながらゴールにも突き進んでいくことは非常に難易度が高いが、岡崎は新天地1年目だった15/16シーズンに5ゴールを記録。その中の1つである2016年3月14日のニューカッスル戦のオーバーヘッド弾は目の肥えたイングランドメディアからも絶賛された。
「あれだけ切り取るのもなんだけど、ああいうのが増えてくればいい。少ないチャンスを決めるのは前からやっていたことだけど、やっぱり自分はチャンスが多くないと決められない。何回自分がチャレンジしたとか、何回チャレンジできるボールが来たかとか、そういう場面を自分が数多く作り出していくことが大事だと思います」と岡崎は得点に至る形を増やしていく努力を続けていることを明かしていた。
そういった試みは苦境にあえぐ今季も続いているはず。岡崎慎司は単に泥臭いだけでなく、チーム事情や状況に合わせて変化していける柔軟性や臨機応変さでここまで生き抜いてきた。
その強みは30代を迎えた今も失われていない。奇跡のプレミアリーグ優勝を遂げたレスターで36試合に出場し、高い評価を得ることができたのは、そういったものの積み重ねがあったからだ。
自分自身に限界を作らず、高い領域を追い求めていく彼なら、もっと多彩で幅広いプレーをこなせるストライカーになれるはず。恩師・長谷川監督が認める通り、それだけのメンタリティをこの男は持っている。
(取材・文:元川悦子)
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