リスクを伴うハメスの先発起用だったが
ジダンはいまだ離脱中のガレス・ベイルの代わりに、ハメス・ロドリゲスを右ウィングとして起用した。事前の報道ではルーカス・バスケスが先発することが確実とされたが、フランス人指揮官はハメスが控えの控えではなく、戦力に数えているという意思を示したかったのだろう。
とはいえ、コロンビア代表FWの起用にはフットボール的な理由も多分に含むことができる。L・バスケスがサイドの上下運動を繰り返すだけであるのに対して、ハメスは守備的な貢献こそ劣るものの、より悠然としていて多彩なプレーを実践できるからだ。
前試合オサスナ戦で1-3-5-2を採用したマドリーは、この一戦で攻撃時1-4-3-3、守備時1-4-4-2となるいつものシステムに戻した。その中でハメスは、ナポリの方が優勢であった立ち上がりこそファウジ・グラムの対応に苦慮するも、ルカ・モドリッチ、ダニ・カルバハルがカバーに入るようになったことで一歩を踏み出せるように。
ボールを持つ度にそのプレーのレパートリーを披露し、積極的に攻撃の展開に絡んでいった。一息入れている姿も散見されたが、ひとたびボールが足元に転がり込めば、当たり前のごとく何かをやってみせた。
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