精錬されたフットボール。攻撃的なプレーへの賛美
これこそが正真正銘のチャンピオンズリーグである。レアル・マドリー、ナポリの組み合わせが生み出したものは精錬されたフットボールであり、また攻撃的なプレーへの賛美だった。
攻守が激しく切り替わる展開は、監督を生業にする者にとって決して好ましいものではない。しかしテクニカルエリア以外の場所にいる者たちは、それに見入ってしまうわけである。
服従させられはしないこのナポリを押さえつけるには、彼らと同じく攻撃に出る必要があるわけだが、マドリーは見事にそれをやってのけた。リスクを冒しながらも、自分たちが有する手段に確信を持って。互いに打擲を受ける中で、マドリーの方が圧倒的にゴールに近づいたのだった。
この試合は、相手のプレーがなければ自分たちのプレーも成り立たないという戦術的な衝突だった。イタリアのチームを相手取るならば、そういった戦術面を掌握すること、少なくとも彼らと同じレベルに達していることが必要だ。それにイタリアのチームと言えども、そのじつ勇敢かつ大胆な攻撃を仕掛ける集団であれば、なおのことである。
9分にロレンツォ・インシーニェの先制点が決まっても、ジネディーヌ・ジダン率いるチームが狼狽することなどなかった。むしろその逆で、誇りと良質なプレーでもって、しっかりとリアクションを見せた。
カリム・ベンゼマはエレガントで、勇猛で、好戦的である最高のバージョンに立ち戻り、クリスティアーノ・ロナウドはサイドから内に切り込むプレーが極上なものであることを思い出させた。クリスティアーノに足りなかったのはゴールのみ。ただ決定機は手にしていた。