歴史は繰り返す。アーセナルの逆転突破はほぼ不可能に…
セカンドレグをホームで戦える、ラームが出場停止とはいえ、4点差からバイエルン相手に勝利をするのはほぼ不可能と言える。まさに冒頭で書いた「ファーストレグでは上手く戦えずにビハインドを許し、セカンドレグで巻き返すも一歩届かない」というシナリオの前編が演じられる結果となった。
歴史は繰り返した。どのような後編が見られるかはエミレーツでのセカンドレグ次第だ。逆転は不可能に近くとも、アーセナルの誇りは見せなければならない。
プレミアリーグでのアーセナルのここ数試合はチーム全体にスピード感はなく、サンチェスやメスト・エジルといった攻撃の核となる選手のキレもなかった。チームとしてどのようにバイエルンを攻略するのかという意図も見ることはできず、プレミアでの何かふんわりとした雰囲気をそのままCLに持ち込んでしまった。
レバンドフスキに2点目を奪われてからのアーセナルは覇気も感じられず、流したような戦いにすら見えた。180分で考えるべきCLのノックアウトラウンドでは致命的だ。この戦いでは上位に進出することはできない。
CLでは毎年同じような敗退を繰り返し、チームとしても自分たちがボールを持てないときの戦い方、主力選手の調子が悪いときの戦い方、若い選手に期待を懸けるアーセン・ヴェンゲル監督の考え方、最終ラインでのミスからの失点の多さなど同じような指摘をされている。
プレミアでの優勝も含め、アーセナルがCLで上位進出を果たすためにも、戦い方の幅を持つことや選手の層を厚くする、リーダーシップを取れる選手の獲得など改善できることはあるはずだ。
ジョゼ・モウリーニョから「失敗のスペシャリスト」と評されたヴェンゲル監督に、新たなプランはあるのだろうか。
(文:小澤亮太)
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