プレミア中継がなければ英国でのDAZNに未来はない
スカイスポーツによれば、テレビ観戦者の増減はリーグ所属クラブの顔ぶれにも左右される。今季のプレミアにはニューカッスルとアンストンビラが不在だが、両古豪が降格した2部リーグの試合中継は前年比約25%増の視聴率とのこと。BTスポーツも、CL戦の視聴率が下がる一方で、今季はマンUが参戦しているヨーロッパリーグの視聴率が上がっていると説明している。言い換えれば、それだけ本来はテレビ観戦するリーグやクラブを選びたい「カスタマー」がいるということだ。
観る側の傾向は放送局側も認識しており、スカイスポーツは1日6.99ポンド(約980円)、1週間10.99ポンド(約1500円)で、観たい時だけ料金を払って観る「ナウTV」経由でのサービスを既に提供してもいる。
しかし、DAZNならば月額で9.99ユーロ(約1200円)。ロンドン中心部にオフィスを構えるデジタル系デザイン広告事務所の調査によれば、欧州大陸側でのDAZNの中継クオリティは、スカイスポーツとBTスポーツが契約者に提供しているOTTサービス(※)と比べても遜色はないとされる。
(編注:OTT…「Over The Top」の略。ネット回線を通じて動画や音声などのコンテンツを提供する事業者のこと)
無論、そのコンテンツにプレミア中継がなければ英国でのDAZNに未来はない。次回、2019/20シーズンからの放映権商談は今から1年後。「スポーツ版ネットフリックス」の英国参入を望むカスタマーの1人として、パフォームグループの動向を見守りたい。
(取材・文:山中忍【ロンドン】)
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