痛手となった家長と泉澤の移籍
家長昭博(→川崎F)、泉澤仁(→G大阪)の離脱は大きな痛手となった。絶対的なボールの収まりどころだった家長、攻撃が詰まった際の突破に優れる泉澤を失ったことにより、攻撃の再構築は必至。いずれか一方だけでなく、同時の流出となったことも厳しい。
ただ、攻撃陣には大前元紀、長谷川アーリアジャスールなどの実績十分の選手たちを補強しており、違った形でクオリティーを高めていくための素地は整えられたと言える。
特に大前は、チームの課題でもある攻撃の最終局面における精度の向上に貢献できる選手だ。昨季リーグ戦のトップスコアラーは家長の11得点だったが、本気で上位進出をノルマにしていくのであれば、得点王を争えるようなストライカーは必須。ドラガン・ムルジャの復活も可能性の一つだが、キャンプから出遅れており読めない部分が多いだけに、大前にはチームに新たな側面を与えると同時に結果でも牽引する存在になることが期待される。
もっとも、そうした諸々を勘案しても、いきなり主力2選手の穴が埋まることはあり得ない。新戦力のフィットを促すと同時に、プラスαとして若手を含む既存戦力の台頭がなければ昨季以上は臨めないだろう。
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