立ち尽くすDF。若手中心のチームが瓦解
方角を見失った。2017年2月11日のブンデスリーガ第20節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでSVダルムシュタット98と戦った。
3日前のDFBポカール3回戦、ヘルタ・ベルリンを1-1のスコアのまま120分間を終えて、PK戦の末にようやく退けたドルトムント。そして、ダルムシュタット戦の3日後には、チャンピオンズリーグの決勝ラウンド1回戦1stレグでベンフィカと戦うために、ポルトガルのリスボンに飛ぶことになる。
テンションが高まるカップ戦の間の、最下位のチームとの対戦。トーマス・トゥヘル監督はヘルタ戦の先発から4人を入れ替えてダルムシュタット戦に臨んだ。マティアス・ギンター、クリスティアン・プリシッチ、エムレ・モル、そしてゼニス・ブルニッチを先発で起用する。18歳のブルニッチは、プレシーズンのテストマッチで主にCBのポジションでテストされていたが、ここに来てブンデスリーガ・デビューを飾ることになった。
若手主体の編成と、ヘルタ戦による疲労の蓄積。チームはどこか集中し切れなかったようだ。GKロマン・ビュルキは「僕らは今日のゲームに高い希望を持っていたけど、シンプルにゲームに入ることができなかった」と振り返った。トゥヘル監督も同様に「本当に我々はゲームに入り切ることができなかったと感じた」と語っている。
序盤から動きが重いドルトムント。中盤がボックス型の[3-4-3]も機能せず、ダルムシュタットに立て続けに決定機を作り出される。その嫌な流れのまま、21分、右サイドからエリア内のゴールライン際までマルセル・ヘラーに侵入され、マイナスの折り返しを、テレンス・ボイドに決められてしまう。通常であれば考えられないほど弛緩したディフェンスラインは、ただ立ち尽くした。