吉田監督の理想と現実
これまで甲府がやって来た、守備に人数を割き少ない人数で攻撃をするというスタイルと180度異なる志向を持つ吉田監督がどのようにチームの舵取りを担うか。これが最大にして、唯一のポイントと言っても過言ではない。
吉田監督は自分たちでボールをポゼッションし、主導権を握ってサッカーをするスタイルを志向するが、柏レイソルでは1年、新潟では1年経たずに退任となった。甲府では理想と現実の間に折り合いをつけることが求められる時期も来るかもしれない。
これまで戦ってきたスタイルと吉田監督のスタイルの折り合いがつかず、選手たちが消化しきれなければ、一気にチームが混乱する恐れもある。一つ一つ整理しながら進めていくことになるだろう。さらなるチームの成長と最大目標である5年連続のJ1残留を果たす、このミッションを吉田監督が達成することはできるだろうか。
最終ラインを中心に全体的な高齢化も進んでいる。柏で長くユース年代の指導にあたってきた吉田監督には、次世代の主力を育てるという重要な仕事も求められている。2013年のJ1昇格から4年間残留を勝ち取って来た甲府の歴史にとって、チャレンジの1年になりそうだ。
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