降格必至の最下位ダルムシュタット。新監督の仕事の成果は未だ表れず
ダルムシュタットを率いるトルステン・フリンクス監督【写真:Getty Images】
効率良く“勝ち点3”を持ち帰ることができるか。2017年2月11日のブンデスリーガ第20節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでSVダルムシュタット98と戦う。
現在ダルムシュタットはダントツの最下位。昨年10月22日にホームでヴォルフスブルクに勝利を収めて以来、勝ち星に恵まれていない。これまで積み上げてきた勝ち点はわずか9。もはや降格は免れない状況だ。昨年12月5日、ノルベルト・マイヤー前監督は成績不振で解任された。ラモン・ベルンドロート暫定監督を経て、12月27日から歴戦の元ドイツ代表トルステン・フリンクスが指揮を取る。
もっともフリンクス監督にとっては、仕事のしやすい環境なのかもしれない。野球で言うと、0-10のスコアかつノーアウト満塁の状況を作り出した先発ピッチャーに変わって、マウンドに送り出されたような格好だ。しかし、失点を重ねて走者を出したのは、火だるまになった先発であって、自分の責任ではない。このまま負けても黒星は付かないのだ。
そのためかフリンクス監督は、降格を免れようとするチームには似つかわしくなく、後ろから繋ぐサッカーを嗜好する。手堅い守備からのカウンターを狙わず、今冬の補強はハミト・アルティントップやシドニー・サムといった攻撃の選手が目立ち、総合力の底上げを図った。
しかし新戦力の融合を進めながら、理想に沿ってチームを作り上げていくことの難しさは、今季のドルトムントが示すとおりである。後半戦が始まってダルムシュタットの戦績は1分2敗。“死のロード”を抜け出せていない。ドルトムントにとっては、与し易い相手だ。前半戦はホームで6-0で勝利している。