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ボスマン判決の当事者が語る、現代サッカーの移籍制度。選手たちの解放と自身の破滅【特集:ボスマン判決、20年後の風景】

シリーズ:ボスマン判決、20年後の風景 text by アルベルト・フェルナンデス photo by Gabriela Hengeveld, Getty Images

判決の影響に値するような褒賞など何一つとしてない

――FIFProからは、具体的にどのような援助を受けているのですか? 毎月、金を受け取っている?

B FIFProは私が必要なときに救いの手を差し伸べ、食いつなぐための金銭的な援助を施してくれる。

――あなたは養うべきお子さんもいるのに貧困に喘いでいます。ここまで有名な人物が、どうして安定した生活を送れないのでしょうか?

B 私も自分自身に問いかけているよ。もちろんすべてのプロ選手が、人々の思い描くような快適な人生を過ごせるわけじゃない。しかし考えてもみてくれ。裁判が起こるまで、各チームは欧州圏の選手を3人までしか起用できなったが、私たちの勝訴以降、選手たちは自由に移籍することが可能となった。

 にもかかわらず、それに値するような褒賞など何一つとしてありゃしない。すべてのクラブが自分をのけ者としている。例えば、私はスタンダール・リエージュでフットボールを学び、プレーしたが、15年にわたって在籍したあそこから戻ってきてくれと促されたことなど一度だってない。クラブは(ボスマン判決を)とことん利用している。それこそ選手たち以上に。彼らはあればあるだけ利用するのさ。

――クラブが利用するのは当然のことでもありますが、欠けているのはあなたへの見返りでしょう。裁判のことだけでなく、選手として残した功績に対しても。

B 私はベルギー代表のジュニアチームでキャプテンを務めただけでなく、欧州の大会に何度も参加し、賞だっていくつも受け取った。しかしベルギーの協会との関係は、彼らを法廷で打ち負かして以降、惨憺たるものとなってしまった。

――スタンダール・リエージュも、それからあなたに負の感情を覚えたのでしょうか?

B 彼らは私の判決を最大限に利用しているが、自分を招いたことなど一度だってない。こちらで認識していることと言えば、それだけだ。デゥシャトレはスタンダール・リエージュを3900万ユーロという額で売却したばかりだが、それは自由に移籍できるようになった選手たちがベルギーに到着し、国内リーグのレベルが上がったためだ。当然、イタリアやスペイン、またはドイツといった強大な国の方が、いまだ目立っているがね。

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