久々に移籍金の支出が収入を上回ったフランス
フランスリーグではこの冬のメルカートでは例年以上の動きがあった。
プロフットボール協会(LFP)の発表によると、この冬、フランスリーグ全体で、新たな戦力獲得のために支払われた総額は1億5600万ユーロ。これはイングランドのプレミアリーグ(2億5380万ユーロ)、中国の超級リーグ(2億1870万ユーロ)に次いで世界で3番目の額だという。
この冬リーグアンから他リーグに巣立った選手は53人で、そこから計上した移籍金は3700万ユーロと、計51人の新戦力獲得に費やされた額を大きく下回った。
才能ある若手を育てて高値で売る育成型リーグだったリーグアンで「収入と支出が交代したのはもうずいぶん長い間見られなかった現象」と、LFPのジェネラルダイレクター、ディディエ・キヨ氏はコメントしている。
しかもパリSGにはユリアン・ドラクスラー(ウォルフスブルク)、リヨンにはメンフィス・デパイ(マンチェスター・ユナイテッド)、そしてマルセイユには元フランス代表キャプテンのパトリス・エブラ(ユベントス)と同じくフランス代表のエース格、ディミトリ・パイエ(ウェストハム)という、欧州トップクラスの選手が参入した。
この冬のこの動きが今後のトレンドを示唆するものなのかを語るのは尚早だが、新戦力として加わった選手たちには、今季のリーグアン後半戦を面白くする主役級の活躍が期待できそうだ。
そして、中でも本気の補強に乗り出したのがマルセイユだ。『チャンピオン・プロジェクト』と銘打ち、アメリカ人オーナー、フランク・マッコート氏のもと、国内の頂点に立つチームを作り上げていこう!という意欲的なプロジェクトを立ち上げた。
マッコート氏は元LAドジャースのオーナー。ドジャースでは経営破綻に陥ったが、これにはマッコート氏の離婚問題やら資金面で公私混同していたなど、いろいろな事情が絡んでいた。それはもちろん問題ではあるが、ドジャースの営業成績は彼の着任以来右肩上がりで、クラブの資産価値も購入時の約2倍に増加させている。そして成績面でも9年ぶりのカンファレンス優勝を実現した。
マルセイユではぜひともその運営手腕のみを発揮し、プライベートな問題は反省点として封印してくれれば、このフランス最大の人気を誇るクラブをふたたびタイトル争いに復帰させることができるだろう。